お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2006年7月10日月曜日

孤蓬庵の灯籠


石造美術が好きである。いつから好きになったのかと思い出してみると、どうも京都のお寺が好きになった高校の頃のような気がする。当時、私にとっての京都のお寺は、仏教に関心がなかったので、単に綺麗な庭だった。その頃買った山渓カラーガイドの『京都』や『京の寺』の写真で、お寺の庭や参道にある灯籠や石畳、白砂や石を見たのがきっかけだったと思う。

その中でも、ある灯籠はぼんやりした形で非常に気に入った。それは大徳寺の塔頭のひとつ孤蓬庵のものだったが、公開されていなかった。
ところが、京都での大学生活の後半に、幾つかの非公開寺院を一定期間だけ特別公開するというのが始まった。それは秋の特別公開として現在でも続いている。確か11月1日から7日までの1週間だった。拝観料は500円、他の寺院が300円程度の時代にである。


もちろん見に行った。灯籠は忘筌の間にあった。いや忘筌の間の上半分をふさいだ障子と床板の間から庭をのぞくとあるのが見えた
庭に回っても見ることはできないのではないだろうか。そう思いたくなるような灯籠の配置だ。忘筌の間から見ても中央にあるわけでもないが、地面を見ると玉砂利よりも大きい黒い石が敷き詰めてある。

いや、蹲踞(つくばい)があるということは、ここから茶室に入るので、内露地になっているのだろうか。

ちょっと拡大してみる。笠が大きすぎるかも知れないが、なんともいい感じの灯籠だ。奥の生け垣はやはり向こうからの視線を遮っている。
もっと拡大してみる。絵葉書をスキャナで取り込んで、それを拡大しているので、どんどん解像度が悪くなり申し訳ありません。でも、ほんわりした、ええ灯籠でしょ?そんな私の説明や画像はともかく、京都の日本建築には孤篷庵が詳しく紹介されている。
そのアプローチからゆっくりどうぞ!