お知らせ

イスタンブールを旅してきました。目的は、ミマール・シナン(正しい発音はスィナン)の建てたモスクやメドレセ・ハマムなどや、ビザンティン帝国時代の聖堂の見学でした。でも、修復中のものもあり、外観すら望めないところも多く・・・ 詳しい事柄は忘れへんうちにに記事をのせます。

2015年8月24日月曜日

サマルカンドで街歩き3 ルハバッド廟1


グル・エミール廟から見えたルハバッド廟へ向かうことにした。
壁に囲まれているが、近くに門がありそう。きっと前方から来るのは、ルハバッド廟にお参りしてきた人たちだろう。
門があった。
中に入ろうとしたとき、左手の建物から人が出てきた。中が冬のモスク、外の周廊が夏のモスクになった建物だった。奥のほうにも門があるが、閉じられている。
門のドーム下より眺めたルハバッド廟。
中庭には浅い小さな池が、周囲にはフジュラがあった。
ルハバッド廟
『中央アジアの傑作サマルカンド』は、イブン・バトゥータの説では、1345-46年当時の中国、元の首都であった北京のイスラム教徒長は、マーワラーアンナフル出身であった高僧のブルハン・アド・ディン・シガリジであった。
高僧ブルハン・アド・ディン・シガリジは中国で亡くなったが、自分が亡くなった際には、サマルカンドのヌル・アド・ディン・バシラ廟の元に埋葬されるよう、遺言を残した。彼の息子アブ・サイドは父の遺言に従い、父の遺骨をサマルカンドに移動させ埋葬した。
アムール・チムールの宮廷では、宗教者の命により、ブルハン・アド・ディンの墓廟の上に廟が建築された。
現在、この簡単な形で、ドーム状の煉瓦の建物はルハバド(悪の住居)と呼ばれる。建物の構造については、現在まで残っていなるドームは内部のドームであり、このドームの上に外部のドームがあるはずである。しかし、外部のドームは残っていないか、または何らかの原因で、ドーム建築が途中で停止されたようであるという。
正面の右脇にバットレス(控え壁)があるのだが、サマルカンドでは見なかったように思う。
同書は、表玄関では、彫刻、散水のテラコッタのタイルで装飾されたアーチの入り口が際立っているという。
散水のテラコッタというのは、ひょっとするとムカルナスのことかな。

廟に入る前に反時計回りに一周してみた。

南東角
東壁にもバットレスがある。
東壁
現在では開口部が閉じられており、その両側にバットレスがある。
南側のバットレスも見えて、小さな廟だががっしりとしている。
正方形の壁面から高い八角形、低い十六角形の段が見えている。
壁面は平たい焼成レンガを積み、ドームの頂部にはそのレンガを広い面を店ながら貼り付けている。

北壁
バットレスはない。
扉は閉まっていて、上部には何かの装飾があったらしい。浮彫タイルがその周りを囲んでいる。
西壁
朝なので日陰。ここにも扶壁はなく、扉の片側が開いている。
浮彫タイルが扉口を巡っている。
吸い込まれるように、この扉から中に入っていくと、中にはホジャがいて5000スム(2ドル)という。

同書は、その後、ブルハン・アド・ディン廟近くに、彼の息子のアブ・サイドとシャイホゾト・イソム・アド・ディンが埋葬された。伝説によると、この廟にはサガジの家族と高僧の一人ブルハン・アド・ディンの「中国のお姫様」と呼ばれた妻も埋葬されたという。また、別の伝説によると、ルハバド廟ドームには預言者ムハンマドの7本の毛を含む銅の箱が隠されているという。
中には複数の棺が安置されていた。
東側の閉じられた壁面には浅いイーワーンがあり、上部には、細かなムカルナスのスキンチと、窓のある小アーチで八角形に。その上のアーチ間には隙間なくムカルナスが施され、十六角形を作ることなく円形へと移行している。
カビか雨漏りであまり美しくないドーム。
かつてはタイルかフレスコ画で装飾されていたのだろうか。

南向きに撮影。
ホジャは、中央がサガラジ師、東がその妻で中国の王女。2男8女の10人の子供も葬られているという。

サガラジ師を慕ってやってきた2人のウズベク人の女性が入ってきて、ホジャは短い祈りの言葉を静かに唱え始めた。
迷惑にならないように隅で写真を撮るが、カシャカシャとうるさかっただろう。
おっと、南東隅の墓にタイルが。
近づくとモザイク・タイルだった。トルコ・ブルーの六角形とコバルトブルーの三角形を並べその上下に3本の帯、そして、残念ながらほとんど残っていないのだが、その上下にもモザイク・タイルで荘厳されていたようだ。
南西の隅にもタイルの残った墓があった。
どうやら中央のモザイク・タイルは、別の箇所にあったものを貼り付けたみたい。
別の面では、トルコ・ブルーのタイルだけでなくコバルトブルーのタイルにも何かが塗られたか、貼り付けられていたような痕跡が。
六角形の太い輪郭線とその内側に細い線がある。その内側に金泥で植物文が描かれていたらしい。

        サマルカンドで街歩き2 アク・サライ廟を探して
                         →サマルカンドで街歩き4 ルハバッド廟2

関連項目
ルハバッド廟にロマネスク様式教会のような控え壁
サマルカンドで街歩き1 レギスタン広場からシアブ・バザールへ
サマルカンドで街歩き5 レギスタン広場へ