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中央アジア各国の旅行記が完成したので、西アジアのイラン旅行をまとめています。
その中で気になるものについては、忘れへんうちにに記事を載せていきます。

2015年10月26日月曜日

ボロ・ハウズ・モスク2 冬用モスク


ボロ・ハウズ・モスクの外は列柱の並ぶ夏用のアイワンになっているが、これは創建当時のものではなく、20世紀初頭に付け足されたもの(『ウズベキスタンの歴史的な建造物』より)

内部は1712年に建造された冬用の建物(同書より)で、中に入ると外から見るよりも広く感じたが、こんな写し方ではそれが感じられない。というよりも、あまり奥行きがないので、入口から内部全体を写すのは不可能なのだ。
ドームを真下から見上げると、多弁の花を見上げているように錯覚しそう。シャンデリアが邪魔をして、ドームの様子がわからない。
シャンデリアを吊したドームは、装飾帯が16本、やっぱり花のように描かれている。

正面(西壁)はミフラーブがあり、その右に低いミンバル(説教壇)もあって、現在でもモスクとして使われているそうだ。
西壁のイーワーン内が他のイーワーンよりも奥行きがある。それは外観からもわかる。
それにしても装飾的な龕。
金彩はなさそうだが、これまで廟やモスクのフレスコ画は白を基調としていたが、ここでは色彩に満ちている。
アーチ頂部
基本的にはイスリミ(植物文)とギリヒ(幾何学文)だが、ここでは様々な蔓草文が描かれている。
しかも、赤・緑・橙の3色の枠線が、微妙に凹凸のある面を幾何学的に区切っている。
その下の菱形の小曲面の集合体をムカルナスと呼ぶには無理があるが、とりあえず変形ムカルナスとしておこう。
これを造った工人あるいは建築家は当時何と呼んでいたのだろう。

それだけではない。ウズベキスタンでは内部四方にイーワーンのある建物を見てきたが、このモスクでは、四隅の隣接するイーワーンとの壁面が狭くなって、ビザンティン教会に見られる内接十字形壁面となっている。
ドーム下にはアーチ・ネット状の装飾があり、下には大きなムカルナスがあるが、スキンチで正方形から八角形を導き、十六角形から円形を造ってドームを載せるというよりは、ペンデンティブの上にドームが載っているような造りとなっている。
四隅の大きなムカルナス、その中にも装飾的な変形ムカルナスをつくる。

南壁のイーワーン
両隅に、変形アーチ・ネットとも思えるもののある大きなムカルナス。窓の上にも変形アーチ・ネット。
東南角
出入口のある北側のイーワーンも南壁と同じ

東壁の出入口
ギリヒの組紐は嵌め込んだものだったことが、その欠けた部分でわかる。
組紐が交差してつくる空間にはイスリミの浅浮彫。
下側の区画も同じ。
外側の文様帯は七宝繋文で、浮彫したものを嵌め込んでいる。

           ボロ・ハウズ・モスク1 夏用モスク

関連項目
ドームを際立たせるための二重殻ドーム

※参考文献
『ウズベキスタンの歴史的な建造物』 アレクセイ・アラポフ 2010年