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中央アジア各国の旅行記が完成したので、西アジアのイラン旅行をまとめています。
その中で気になるものについては、忘れへんうちにに記事を載せていきます。

2016年3月7日月曜日

マルグシュ遺跡2 王宮


ゴヌール遺跡には3つの城壁がある。

当時の通路を通って王宮に向かう。
これが王宮への正式な入り方。王宮の北側にあって、外壁入口の奥に内壁の入口が見えている。

王宮入口は狭い。防御のために一人ずつしか通れないようになっている。
マリ博物館の模型
内壁は高さ20mもあった。王宮もかなり高かったと考えられているみたい。
北の中央部から王宮入口(矢印)へと入ってきたことになる。

一人ずつ狭き門を通って内壁の中へ。そこは王宮広場だった。
建物の壁は低く復元されているが、ヴィクトールさんによると実際の天井も低かったという。復元模型とは違うけど、ヴォールト天井でも何階建てかにしていたのかな。
 地面には土管のようなものが顔を出している。すでに水道設備を備えていたのだ。
入ってすぐの194号室は控えの間、狭い凹みには護衛兵が立っていたという。
円柱は1本だけ復元されているが、等間隔で並んでいたという。
南の続きの間、188号室には三重の刳りのある壁龕があった。ここから女神像が出土したという。
女神像についてはこちら
壁龕に見えたが、『シルクロードの古代都市』では「開かない窓」という。
同書は、サリアニディは神殿の建築に見られる「開かない窓」がミタンニ国のあった北部メソポタミアにもあることから、ゴヌル(つまりはマルグシュ)がインド-イラン語圏であると考えているという。

中の広間(Inner Hall)を通って東隣の謁見の間(196号室)へ。
入口は狭く、三重の繰りがある。扉はあったのかな?
北隅に玉座があった。ヴィクトールさんは王錫を持った王を演じている。

一度内壁を出た。
ヴィクトールさんが是非見せたいものとは、
先ほど見たよりも大規模な窯址だった。
ヴィクトールさんはまた図面で説明してくれた。
これだけ大規模な窯の場合、両側に焚き口があって、中が高温になるように工夫したようだ。
焼成室は人よりも高く、ヴィクトールさんの隣に置いてある器体の薄い大きな土器、あるいはもっと大きなものもつくっていたようだ。サクサウール(砂漠でも育つ灌木)のようなものを地下の焚き口にくべている。

その後、建物や城壁跡を踏み越え、また王宮内へ。低い壁の四方に復元された部屋を見、通りにくくするために狭くした通路を通って行った。王の住居も通り抜けた。
そして見学したのは185号室で、祭儀施設の一部だった。神殿での礼拝とはまた異なった行事が行われていたのだろう。
南北に長い部屋で、北側に竈がある。手前の人物の足元に穴が。
近づいて見ると、壺が埋まっていた。穴があるので貯蔵用の壺ではなく排水設備で、土管に繋がっていただろう
復元された竈は2つ口。ここで料理が作られ、王に運ばれたという説明。
185号室から北側の小部屋を回り込んで170号室へ。中央に円柱の並ぶ広い部屋だった。
奥(西)の壁にも2つ口の竈がある。

南西の出入口から出てその西の階段をのぼる。一つの段が低くなだらか。
階段の上のテラスで、宗教施設について、図面をみながらヴィクトールさんの説明があった。話題はメルヴの寺院にまで及んだ。
ここには、塔のような細長い構造物を主体とした神殿状のものがあって、この階段がその参道らしい。
A・Bは砂の部屋とされ、Aの中央に黒い正方形(白で示す)がある。

塔状のもので、実際に周囲の壁の高さまであった。
ヴィクトールさんが見せてくれた2つの図面は以下の説を図解したものだった。
Aの四角い塔を取り巻く建物と階段が神殿を構成するという説と、階段の上のテラスに塔を建て、それを囲む建物が神殿という説があるのだそうだ。
階段の上から西側の間と、向こうに列車のように続く復元された内壁を眺める。

階段を下りて西の内壁へ。高さが20mあったという内壁に三角形の矢狭間が等間隔で開かれていた。
城壁がどのようなものだったか、2つの図面で説明を受けた。
三角の矢狭間がある説は、城壁の上は外側に狭間胸壁があり、兵士が見張ったり、通行できるようになっていというもので、復元されたものはこの説を採っている。
そして、城壁の上に牡牛の角のようなものを並べ、壁に矢狭間はないという説。開口部も3種類、アーチ形、三角形、四角形のものが推定されている。


内壁に沿って南へと向かい、復元壁の終わるところで城外へ。

       マルグシュ遺跡1 王宮へ
               →マルグシュ遺跡3 ゴヌール遺跡の水利施設と初期の窯址

関連項目
マルグシュ遺跡の出土物5 女神像
マルグシュ遺跡4 王族の墓巡り

※参考文献
「シルクロードの古代都市 アムダリヤ遺跡の旅」 加藤九祚 2013年 岩波書店(新書)