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中央アジア各国の旅行記が完成したので、西アジアのイラン旅行をまとめています。
その中で気になるものについては、忘れへんうちにに記事を載せていきます。

2015年11月16日月曜日

マゴキ・アッタリ・モスク


ブハラ旧市街を歩いていると、⑬タキ・テイパック・フルションから南東方向に出ると、開けた地域が広がっていた。

それは18-19世紀のキャラバンサライや浴場の遺構のある場所で、その向こうの一段低い場所に⑭マゴキ・アッタリ・モスクがある。
『ウズベキスタンシルクロードのオアシス』は、10世紀の建築。アラブ襲来以前はバザールとして利用され、ゾロアスター寺院もあった。現在は絨毯博物館となっている。マゴキとは穴という意味。1936年、ロシアの考古学者シシュキンが砂の中に埋もれていた寺院を掘り出し、周囲を5mほど掘り下げた穴の中にあったのでその名が付けられたという。

⑭マゴキ・アッタリ・モスク 10世紀創建
『中央アジアの傑作ブハラ』は、マゴキ・アッタルはブハラの最も古いモスクであり、都市の中心部、リャビ・ハウズの西側に位置する。中世初頭に、当地ではモフ・バザール(月の市場)があって、その横に月の寺があった。春のナブルーズの日(春分の日)に、ここで、異教の神の彫像と絵が販売されていた。アラブ人がブハラを征服したとき、彼らは月の寺院の場所に最初のモスクのひとつを設立した。モスクの中の発掘調査では、10世紀にさかのぼる彫られた装飾と地盤の断片が発見されたという。
残念ながら、扉口は閉まっていた。

同書は、サーマーン廟の説明で、アラブ人がブハラに侵入した時、モスクに変えられた月の寺院及び日の寺院を除いて、すべてのゾロアスター教の寺院が破壊された。そして、月の寺院が現在のマゴキ・アッタリ・モスクに、日の寺院は現在のサマニー族の廟になったという。

同書は、1930年に、考古学者は12世紀にさかのぼるモスクの南入り口を発掘した。入り口は、レンガ及びマジョリカでできたユニークな飾りで飾り付けがされているという。

同書は、マゴキ・アッタルは、地元のモスクとして使われていた。その入り口は、リャビ・ハウズに向かっていた。上部が鍾乳石で飾られているアーチは、モスク前部入り口として残っている。
アーチは青くて緑色のマジョリカで飾り付けをされているという。
このイーワーンは、どうやらウズベキスタンで最古のもののようだ。それについてはこちら

この尖頭アーチと内側の各部分には非常に興味を惹かれる。
浮彫青釉タイルについてはこちら
それについてはこちら

同書は、入り口端の4分の1の二重コラムがプレイスラム教のソグド建築の古風な跡である。絶妙に編まれた飾りがある5枚の彫られたガンチのプレートが特に面白いという。
詳細についてはこちら

東側には一対の小さな塔のある門構えがあったが、どうも修復のようだ。
『ウズベキスタンシルクロードのオアシス』は、破壊されては再建するという歴史を物語るようにアラベスク模様が描かれ、さらに新しい壁という3層になっており、この建物が辿った数奇な歴史を物語るという。
南入口とこの東入口では高さが異なっている。内部はどんな風に繋がっているのだろう。
それでも、イーワーンの焼成レンガを積み重ねた壁面は美しい。
二隅の2つのムカルナスと中央壁面の尖頭アーチから出たアーチ・ネットが傘のような半ドームを造り出していて、ミリ・アラブ・メドレセ入口上のドームの構造に似ているので、16世紀前半くらいに造られたものではないかな。
輪郭線にはコバルトブルーのタイルが使われている。
そしてアラビア文字の銘文には背景に一重に渦巻く蔓草文はないものの、モザイク・タイルだ。
その下の壁面には焼成レンガを小さな部品にして組み合わせた幾何学文のモザイク装飾がある。

最初はソグドの信仰の建物があって、その上にモスクが建てられたようだが、その後何度も修復を重ね、そしてそれぞれの断片が建物の各部分に残っているような、不思議な建物だった。
扉口が閉じられていて中に入ることができなかったので、10世紀の遺構は見学できなかった。
モスクには2つの八角形ドームがある。そのいずれかのドームの内側はこのようになっていることが、『中央アジアの傑作ブハラ』でわかった。内部は、外から見るほどには角張ってはいない。

        ブハラ旧市街で街歩き2 タキ・テルパック・フルション界隈
                     → ブハラ旧市街で街歩き3 タキ・サラフォン界隈

関連項目
ホジャ・アフマド廟以前の浮彫青釉タイル
マゴキ・アッタリ・モスク1 ソグドの文様とイスラーム文様
マゴキ・アッタリ・モスク2 漆喰装飾
マゴキ・アッタリ・モスク3 浮彫青釉タイル
ウズベキスタンのイーワーンの変遷
イーワーンの変遷


※参考文献
「中央アジアの傑作 ブハラ」 SANAT 2006年
「シルクロード建築考」 岡野忠幸 1983年 東京美術選書32
「ウズベキスタン シルクロードのオアシス」 萩野矢慶記 2000年 東方出版